対談 4 国際バカロレアで見えてきた「大学の国際化と質」

国際学部でも、インターナショナルスクールの各種認定やケンブリッジ国際カリキュラムとAレベルが大学のアドミッションにまだ理解されていない、と思います。

このあたりはいかがですか。

坪谷:留学生政策では、1つは、海外からの留学生が日本に今どれくらいいて、どういう現状なのか、どのような問題があるのかという点だと思うんです。

ご存知の方は、ご存知かと思いますが、政府は「留学生30万人計画」を出しました。
海外からの留学生を30万人にしようと。

最近、ほぼ達成した、という報告があったんですが、留学している内容を良く見ると大学とか大学院に来てる生徒の数っていうのはほとんど増えていない。

では、日本に留学して来た30万人とは、誰か?
実は、留学生30万人の中心は、日本語学校なんです。

日本語学校に、日本は自分の国よりも経済的に強いので、アルバイトで日本の円を稼ぎに来る生徒も一部におり、そういったことが社会問題化している。

現実として海外から留学生は30万人は、大学や大学院に入学していない。

グローバル30は若干、増えましたが、特に大学、四年制の大学に留学生は増えていない。*1

しかし、グローバル30もですね、結局ふたを開けてみると学部やコースにバラエティーさが少ない。
国際◯◯学部、国際◯◯コースばっかりなんです。

日本で国際◯◯コースを勉強したい留学生がそれほどいるわけではない。

私の二人いる娘のひとりは、教育学部ですし、下の娘は動物学部なんですね。

それぞれ興味のある分野を勉強していきたいわけですから、興味のある学部やコースがなければ、行かないですよね。

では、なぜ英語で学べる学部を作ろうとしないのか?

ランクが高い大学ほど日本人学生で十分

では、英語で学べる学部を作ろうとしないのか?

2つの理由があると考えています。

1つ目はが、まず大学側として、大学ランクが高ければ高いほど、日本人の生徒がたくさん志願してくる。
だから英語で学べる海外留学生も学べる学部やコースを開講する必要がない。

なぜかというと大学には、定員が決まっています。

定員が決まっているので、定員以上の生徒が入りたいと志願してくる大学は、留学生が学べるような英語で学べる学部やコースなど開講する余計な仕事を増やしたくないわけです。

2つ目はが、海外から留学生を入れるとなると、大学側に全ての講義を英語で授業をしなければという思いこみがあるんですね。

英語でやるなら、英語で教えらえる教授も用意し、成績評価も資料も全部英語で用意しなければ、と。
すごい手間がかかるので、そんなこと避けたい、と。

日本の大学の国際化

私としては、日本の大学の国際化に関しては2つのことを考えています。
1つ目は、何も全部英語でやる必要はない、ということです。

例えば、ドイツに留学に行けば、ドイツ語の速習コースを受講して、ドイツ語がある程度できるようになってから、きちっと大学などに入っていく。

ドイツだけでなく、英語圏の大学も同じような仕組みがあります。

イギリスは、日本と違って3年間で大学を卒業します。

その前にファンデーションコースがあり、1年間は英語の速習コースを受けて、その速習コースである程度のレベルになったら、本入学していくシステムです。

アメリカでも同じ仕組みです。

海外からの留学生を受け入れるために、その国の言語をまず学んで、アカデミックに学べるようになった時点で本科に入学していく。

日本もその仕組みを導入すれば、何もすべて英語でやる必要はなくなります。

あとは大学側のモチベーションですね。

ランクが上の方になればなるほど定員は、今でも日本人の志願者で定員が埋まりますので。

少子化が進む日本の大学と留学生

坪谷:日本は少子化が進んでいます。しかし、大学は800校あります。
ですから生徒を集めるのに苦労している大学は、一生懸命、海外から留学生を入れようとしていると思います。

私自身は、さきほど言ったように、英語で学部やる必要はないと考えています。

2つ目は、海外からの留学生は定員外とすることが決まれば、日本語速習コースの間は、日本語があまり必要でない単位はとらせる。

日本語速習コースを「ファンデーションコース」と私は、呼んでるんですけれども例えば、体育なんてそうですよね。英語や中国語など外国語も留学生はお得意ですから単位をとれますよね。

仮に、日本語速習コースを「ファンデーションコース」を条件付き仮入学として、学生の日本語能力が学部で専攻を学べるほど上達していない場合、あなたは学部のほうに入れませんね、と伝えれば良いのです。

仮入学なので、日本語力など条件を満たさないまま学部に入学させると学生のためにも良くない。

「そんなことしたら日本に来ないだろう」、という議論も出ると思うのですが、私は十分来ると思っています。

なぜかというと、日本は授業料払ったら、たくさん単位とろうが、あまり単位をとらなかろうが、授業料が一緒です。

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ieNEXT 編集部
International Education NEXT 編集部は、国際教育の最新情報とノウハウをインターナショナルスクールの運営経験などを通して社会に情報発信をしています。 英語教育、留学、オンライン教育など国際教育のすべてをリサーチし、記事にし、参加できるイベントにしています。