世界の幼児教育:テ・ファリキ(ニュージーランド)

Contribution:学習過程での子どもの貢献

Communication:自己の表現・コミュニケーション

Exploration:能動的な探求心

以上をベースにしつつも、具体的な内容は各施設に委ねることで、個々の施設の個性を尊重するバランスを取っています。

多民族国家としてニュージーランドは多様性を取り入れた幼児教育を作り上げた。

次に、この4つの原則、5つの柱をベースにしたテ・ファリキの特徴として以下4点を紹介します。

テ・ファリキの特徴

まず第1に、子どもは社会に所属する権利を持った「市民」としてみなしていることです。

もともとニュージーランドでは、子どもも一市民として社会やコミュニティに主体的な参加することを促す文化があり、例えば子どもが夏にレモネードを売ることを通じ、お金の大切さを学ばせ市民参加を促すといったことは既になされていました。

レモネードスタンドは、子どもたちと社会の接点。

こうして市民としての参加活動の過程で自分が誰なのかを理解し、自分が社会にどう貢献できる人間なのかを考えさせることが自己肯定感を高めることにつながり、更なる意欲向上につながると考えられています。

第2に、「全人的」「探求心」のキーワードに見られるように、個別の知識とスキルの獲得以上に、能動的な体験や探求を通じて様々なことを学ぶことが重視されています。

例えば、単語をどれだけ覚えた、算数ができるようになった、というような小学校の準備段階としてのスキル獲得にあたる要素は、上の「5つの要素」では見られません。

教師は子どもの能動的な行動 ー 時にそれは毎日遊んでいるように見えるー を観察し、支援することが日々の対応になります。

言い換えれば「遊びを通しての学び(learning through play)」が幼児期の子どもにとってベストな「教育」とニュージーランドは考えています。

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アオバ&MIST 宇野令一郎
アオバ&MIST 宇野令一郎 ムサシインターナショナルスクール・トウキョウ(旧リトルエンジェルス・インターナショナルスクール)理事長、アオバジャパン・インターナショナルスクール理事、熊本大学大学院教授システム学専攻非常勤講師。カナダ・McGill大学経営大学院(MBA)、熊本大学大学院(教授システム学修士)、慶応義塾大学経済学部卒業。2009年より現在まで、プリスクールからオンライン大学まで9つのスクールの設立や学校再生に関わる。 (株)東京銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入社後、海外留学等を経て、アジアと国内の投融資事業に従事。2009年よりBBT参画。BBT大学設立準備、初代学部事務局長。2011-2014年、日本eラーニングコンソーシアム理事。2013年よりアオバジャパン・インターナショナルスクール参画。2019年、文部科学省IB教育推進コンソーシアム立ち上げにあたり、発起人。共訳:『学習意欲をデザインする』(北大路書房)、共著:『グローバルに通用する異能を開花する(2015)』「答えのない世界-グローバルリーダーになるための未来への選択(2017)」「自ら人生の舵を取れ(2018)」「21世紀を生き抜く「考える力」(2020)」(ビジネス・ブレークスルー出版)。