世界の教育に学ぶ!家庭でできる幼児教育とは?
記事○○で、レッジョ・エミリア、テ・ファリキ、国際バカロレア、イギリスEYFSの4つの教育形態を見てきました。
今回は、この4つの教育方法の共通点を踏まえて、家庭でもできる幼児教育の方法をご紹介します。
この記事を読んで気になったものがあればぜひ試してみてください。
世界の教育方法の共通点
この4つのどれも発祥国や作られた年は違います。
しかし、この教育方法には共通点が3つあります。

1つ目は、Learning by doing=行動しながら学ぶことです。
子どもの好奇心と意欲を重んじた探求をさせ、答えのない問題に取り組むことで行動しながら学ぶことができます。
どの様なアウトプットを残せる人材を育てるのかという視点を持ち、プロジェクトや課外学習などを通して教育をしています。
2つ目は、learning through communication=コミュニケーションを通じて学ぶことです。
教師と子どもが同じ立場に立って対話することで、論理的思考力、創造力などを育むことができます。
子どもをまだ何もできない白紙のような存在と扱わず、自ら何かをなすことができる存在とみなした教育手法です。
3つ目は、learning through play=遊びを通じて学ぶことです。
レッジョ・エミリア、テ・ファリキ、そして国際バカロレアが導入しているPYP課程のどれもが、単なる遊びに見える行為にも重要な学びの要素が含まれていると考えています。
将来、技術と情報のアップデートがあっても、学び続けることで対応できる人材を育てるために遊びながら学ぶ力を身に付けることを重要視しています。
日本の現状
Learning by doing、learning through communication、learning through playといった考えに共感したとして、幼児を子どもに持つ我々日本人の親は具体的にどうすればよいのでしょうか?

プレイベースを最大限重視するレッジョ・エミリア、テ・ファリキに共感したとしても日本での実践例はわずかで、殆どの人にとってイタリアやニュージーランドに我が子を連れて行くことは現実的ではないでしょう。
国際バカロレアではどうでしょう?
日本にも学校がありますが、幼・小学校課程のPYPプログラムを日本で実践している学校の殆どは学費が比較的高額なインターナショナルスクールです。
正式な国際バカロレアPYPではなくとも、こういった要素を放課後の課外授業や週末学校で取り入れているところも少ないでしょう。
そこでieNEXT編集部が提唱したいことは、家庭においてこの記事でご紹介したような教育の要素を日々の生活に取り入れてみてはどうだろうか、ということです。
家庭で取り入れるには?
世界の有名な教育を家庭で取り入れられるの?と疑問に思うかもしれません。
しかし、家庭でも少しの気遣いと工夫で簡単に取り入れることができますよ。
いくつか例を挙げるとすると、例えばこのようなことが明日からでもできるのではないでしょうか?
例1
- 朝の慌ただしい時間に、子どもが一見すると無駄に遊んでいるように見えたり、何かをぼんやり眺めているように見えたとしても、5分でも寄り添って対話をする
この例は、「コミュニケーションを通して学ぶ」に繋がっています。
しゃがんで、子どもと同じ目線に立って対話をしてみましょう。

対話の中から、子どもの好奇心がどこに向いているのか、子どもは世の中をどこまで理解できるようになったのかなど子どもの成長を発見することもできるでしょう。
この発見をレッジョ・エミリア式のドキュメンテーションに残すこともできますね。
レッジョ・エミリア式ドキュメンテーションとは、教師が主体的に観察し気づいたことを記録するものであり、個々の子どもの発達を表現し、かつ支援するものです。
例2
- 何かを教えることより、気づきを促したり、理由を考えさせることを意識してみる
この例は、「行動しながら学ぶ」ことと「遊びを通じて学ぶ」ことに繋がります。
子どもが自ら理由や、プロジェクトの方向性、物事の原理などを考えることによって、学び続ける力を養うことができます。
また、自然の中や友達と遊ぶことで、よいコミュニケーションの取り方を取得し、好奇心を養うことができるかもしれませんね。
例3
- 休みの日には座学をさせるよりも外に出て様々な体験をさせる
この例は、「遊びを通じて学ぶ」に繋がります。

レッジョ・エミリアのプロジェクト、国際バカロレアの探究型学習などを参考にすると良いでしょう。
どれも、探究すべきテーマに沿って能動的に学び、アウトプットを作り上げていく形式の活動を意味します。
座学ではなく、外に出て遊ぶことで能動的な体験や探求をすることができますよ。
能動的に動く経験を積むことで、好奇心に基づいた行動ができるようになります。
最終的には、レッジョ・テファリキ・国際バカロレアPYP、英国EYFSがが必須と定義している、「将来にわたり学び続ける力や意欲」を養うことに繋がりますよ。
例4
- 子どもの好奇心を刺激し、挑戦したくなるようなプロジェクトを与え、サポート役に徹してみる
重要なのは、親はサポート役に徹することです。

失敗をさせたくないなどの理由で教えたくなる気持ちも分かりますが、ぐっとこらえてサポートをしましょう。
子どもは考える力や臨機応変に対応する力などを身に付けることができますよ。
例5
- 子どもの行為をスマートフォンで記録したり書き留めたりし、夫婦間で気づきを共有し明日の子育てに役立てる
これはレッジョ・エミリアのドキュメンテーションやテ・ファリキのラーニング・ストーリーを参考にすると良いでしょう。

レッジョ・エミリアのドキュメンテーションは先ほどご紹介しましたね。
テ・ファリキのラーニング・ストーリーとは、子どもの日々の遊びを通して学ぶ過程のハイライトを、他の読み手も理解できるよう物語のように記述したエピソード記録のことです。
何ができたか、どこに弱みがあるのかを把握するためのチェックリストではなく、ただ淡々と子どもの表情や行動を記録しましょう。
誤解を恐れずに言うと、どれも日常でよくある子どもの行動に対して、時間を作って向き合っているだけではないでしょうか?
これなら少し意識するだけで、教育方法を変えることができますね。
他にも色々考えることができるでしょう。
ここでポイントなのは、高額な道具や授業は必要ないと言うことです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、世界の幼児教育が導入している教育方法の共通点をどのように家庭で活かせるか、例と共にお伝えしました。
少し工夫するだけで、世界でも優秀と言われている教育法を家庭に取り入れることができますよ。