国際バカロレアの3つの教育プログラムとは?

国際バカロレアの3つの教育プログラムとは?

探究する人、知識のある人、考える人、コミュニケーションできる人、信念のある人、心を開く人、思いやりのある人、挑戦する人、バランスの取れた人、振り返りができる人。

これは国際バカロレアが目指している学習者像です。

このような生徒を育てるために、幼稚園から高校まで探究的な教育を行っています。
今回は、国際バカロレアの教育プログラムについてご紹介します。

▽ 学習者像のマインドマップ。国際バカロレア機構の公式Instagramから引用。

 国際バカロレアの教育プログラムの初等教育プログラム、中等教育プログラム、ディプロマ資格プログラムの3つのプログラムについて紹介していきます。

初等教育プログラム(略称:PYP)

初等教育プログラム(以下、PYP)は3歳から12歳を対象にしたプログラムです。
言語・社会・算数・芸術・理科・体育の6教科を学びます。

日本のカリキュラムと大きく異なるのは「私たちは何者なのか」「私たちはどのような場所・時代にいるのか」「どうやって自己表現するのか」「世界はどう動いているのか」「私たちはどう組織しているのか」「地球の共有」という「探求の単元」と呼ばれる6つの科目横断テーマが並行して存在することです。

これらは各科目の内容を習得するだけでなく、それらを学際的に応用・統合して社会に出てから必要な考える力やアウトプット力をつけることを目的としています。

これら6つのテーマは独立したそれぞれが科目として取り扱われるわけではありません。
教科内でも言及されるほかに、プロジェクトとして時間が割かれ、テーマの1つ1つを各学年ごとにじっくり探求していきます。

例えば、「私たちは何者なのか」というテーマにおいては、教師は「自分で決めていくことは幸福や健康に影響を与える」といった中心課題を提示し、生徒に探究させていきます。

このように中心課題等のフレームワークはガイドラインとして提供されるものの、PYPで指導する具体的なカリキュラムは、後述するDPと異なり国際バカロレア機構から提供されるわけではありません。

クラス担任や専科教員等の複数の教師が協働作業で決めていきます。

つまり「何をどのように学習するか」は学校のカリキュラム設計に委ねられています。

学校及び教師は、生徒が理解できる身近な題材を選択し、既存の知識と新しい知識を関連付けながら、生徒が自らそして協調しながら理解を深める設計を行う必要があります。

生徒は、学びのサイクルにおいて探究した内容をレポートや目に見える成果物として整理し、発表し、ユニットの最後に振り返りを行います。

▽ 探究学習が印象的な国際バカロレア機構の公式Instagramから引用。


そして、PYPの最後を飾るのが「エキジビジョン」とよばれる学内発表会です。

これは統一したテーマに基づき、一人またはグループで2-3か月かけてリサーチし、プレゼンするものです。

中等教育プログラム(略称:MYP)

中等教育プログラム(以下、MYP)はPYPに続くもので、11歳から16歳を対象年齢としています。
MYPではこの後のDPの準備期間であり、ディプロマ資格プログラムで重要な要素となる言語(外国語)を含む8つの教科(言語A、言語B、人文科学、理科、数学、芸術、体育、テクノロジー)を学習します。

またPYPと同様に、教科を超えた学際的な取り組みと実社会との関連性を重視しています。

▽ MYPの探究学習のイメージが伝わる国際バカロレア機構の公式Instagramから引用。

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アオバ&MIST 宇野令一郎
アオバ&MIST 宇野令一郎 ムサシインターナショナルスクール・トウキョウ(旧リトルエンジェルス・インターナショナルスクール)理事長、アオバジャパン・インターナショナルスクール理事、熊本大学大学院教授システム学専攻非常勤講師。カナダ・McGill大学経営大学院(MBA)、熊本大学大学院(教授システム学修士)、慶応義塾大学経済学部卒業。2009年より現在まで、プリスクールからオンライン大学まで9つのスクールの設立や学校再生に関わる。 (株)東京銀行(現、三菱東京UFJ銀行)入社後、海外留学等を経て、アジアと国内の投融資事業に従事。2009年よりBBT参画。BBT大学設立準備、初代学部事務局長。2011-2014年、日本eラーニングコンソーシアム理事。2013年よりアオバジャパン・インターナショナルスクール参画。2019年、文部科学省IB教育推進コンソーシアム立ち上げにあたり、発起人。共訳:『学習意欲をデザインする』(北大路書房)、共著:『グローバルに通用する異能を開花する(2015)』「答えのない世界-グローバルリーダーになるための未来への選択(2017)」「自ら人生の舵を取れ(2018)」「21世紀を生き抜く「考える力」(2020)」(ビジネス・ブレークスルー出版)。