国際バカロレアは、日本の教育と何が違うのか
日本の今までの教育と国際バカロレア教育(以下、IB)を比較しました。
いわゆる偏差値教育の対極にある教育体系
IB教育が、記憶量と入試合否が相関するいわゆる偏差値教育とは対極にあります。
従来の偏差値教育の弊害はいたるる所で言われていますが、世界的なコンサルティング会社のマッキンゼー代表を務めた経済評論家の大前研一氏は、以下のように問題を提起しています。
「偏差値教育の最大の問題点は、それがあたかも人間の能力や価値を規定しているかのような錯覚を与えることです。
偏差値教育の結果、日本の多くの若者は、身の丈に合った夢しか見られなくなり、手の届く可能性にしかチャレンジしなくなりました。
これでは、かつてその名を世界中に轟かせた松下幸之助(現パナソニック創業者)、本田宗一郎(ホンダ創業者)といった世界に通用する人材は日本から育たないでしょう。
彼らがなぜ世界に通用することができたのか、それは彼らが偏差値のない時代に育ち、自分の能力には限界がないと思えたことが大きいのです。」
(大前研一氏挨拶 BBT大学ホームページより)
偏差値教育は、過去に有用な面もあったかもしれませんが、問題があります。
1.偏差値により序列化され、自己実現意欲と肯定感が減る
2.記憶偏重により、答えのない状況で答えを見つける力や、議論・作文・プレゼン等のアウトプット力が弱くなる
特に2は、グローバル人材・異能人材を生み出すうえでは大きな問題です。
IBは既にみたとおり探究、アウトプット、省察を繰り返す、アウトプット重視の学習でです。そしてこの探究型学習は自己の好奇心と意欲を重視して行われるからです。
2)全人教育アプローチである
全人的教育とは幅広い視野と豊かな人間性を有する人物を育成する教育です。
もちろん日本の学校教育もこの側面は重視していますが、IB教育においては以下3つの具体的な特徴があります。